g39g0様からのご質問
質問:ロードバイクのフレーム素材は今やカーボンが主流となりましたが、今後はどういったものに進化するでしょうか?
19世紀始めに発明され自転車の起源とされる「ドライジーネ」は全て木製でした。その後は長らく鉄フレームの時代があり、1970年代に入ってアルミフレームとカーボンフレームが登場します。そして2000年頃にはカーボンフレームが各メーカーの主流となり、現在に至ります。チタンやマグネシウムもありますが、なかなか主流とまではいきません。
カーボン素材そのものは40年前からはかなり進化しており、今では当時とは比べ物にならないほど軽量で丈夫に作られるようになりました。今後もまだまだ進化する伸びしろがある以上、しばらくはカーボンの時代が続きそうです。
そんな中、今注目の新素材といわれているのが「セルロースナノファイバー」です。
セルロースは炭水化物の一種で、植物細胞に多く含まれます。食べ物に含まれるセルロースは「食物繊維」とも呼ばれ、繊維状の物質であることがわかります。そのセルロースをナノレベルにまで細かく解きほぐしたものが「セルロースナノファイバー」で非常に軽量で弾性率の高い物質となります。
カーボンも炭素繊維を樹脂で固めたものなので、同じようにセルロースナノファイバーを束ねて樹脂で固めれば強い素材がつくれそうです。原料は木材(廃材や端材)からとられるので大量生産が可能になればカーボンよりも安価で環境負荷も少なくなります。
またカーボンと違って、樹脂と混ぜても透明に近いので、中身が透けて見えるスケルトンフレームも作れちゃいます。そしたらフレーム内部にモーターをこっそり仕掛けるなんてことが出来ないですね!
まだまだ研究段階なので実用化までは時間がかかりそうですが、透明なフレームができたらすごく魅力的ですね!
答え:未来のフレームはスケスケになります。
text■塚田
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大和の田中 (土曜日, 26 3月 2016 21:13)
機材は進化して軽量化、駆動力ロスの軽減、安定性など近年比較すると数段、性能も機能もアップしたのが現実でしょうか。
では、それに伴う記録更新が比例していますでしょうか、疑問です。
やはり人間の限界の方がバイクの性能以前なんですかね。
画期的なバイク形状なんてあるのでしょうか。パワーを増幅して加速できたら最高ですね。
サガミサイクル塚田 (日曜日, 27 3月 2016 12:54)
選手がドーピングに手を出さずに済むように、機材進化は選手の疲労低減や安全性の向上に結びつくようなものであってほしいですね。
形状はUCIルールの制約があるので、レース機材として「画期的」なものは難しいと思います。でも期待はしたいです。