剛毛教師様からのご質問
質問: 先日ネットで、カーボンの内部破断を調べるコインチェックなるものを見つけ、試したところ、フロントフォークで明らかに音が鈍い箇所が。表面にヒビ等はなく、走行中も特に異常を感じないのですが、これは直ちに修理すべき危険な状態なのでしょうか?
久しぶりの「素朴な疑問コーナー」です。以前にもクラックに関する質問があしました。みなさん気になるところなんですね。
確かに、カーボンのクラックをチェックする簡単な方法として「打診」が一般的です。割れている箇所は明らかに他の部分と音質が異なります。ただ、あくまでも簡易的な検査方法なので100%的中できるものではありません。実際にクラックがあるのに音では判断できない場合もあるし、逆に異常がないのに音が変化する場合もあります。
カーボンは部分によって厚みが違ったり内部構が均一でないので叩く箇所によって音が変わることはよくあります。異音がしたから危険と判断するのは少し気が早いです。
新品のフレームでもカーボンの積層の剥離や、芯材の一部が異物として内部に残る場合があります。当然そこを叩けばクラックがあるかのような音が鳴ります。それでも実用レベルでの強度試験はパスしているわけなので使用しても問題ない場合がほとんどです。
では100%安全かと言われれば、そうとも言えません。しかし経験上、カーボンフレームが走行中に突然折れたと言う話はほぼ聞いたことがありません。フレームが壊れるのには何かしら原因があります。落車によるものがほとんどですが、交通事故とか、グレーチングに突っ込んだとか、リアディレーラーをホイールに巻き込んだとか、風で倒れたとか、フレームが壊れるにはフレームに直接打撃を加える必要があります。
そもそもロードバイクって6kgそこそこの車体に生身に近い状態で乗って時速100km/hとか出るんだから安全なはずはありません。常に危険と隣り合わせの状態であることを意識したほうがいいです。
その中で少しでも安全マージンを稼ぐ上で、自転車のメンテナンスはもちろんのこと、路面状態の把握やバイクコントロールの技術、危険察知能力なんかが大切になってきます。
答え:何かしら強い衝撃が加わった覚えがないのであれば、外から見てわからない程度のクラックは走行しても特に支障がない場合がほとんどです。精神衛生上、不安であれば修理すればいいと思います。修理しても100%安全ではないこともお忘れなく。
text■塚田
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剛毛教師 (火曜日, 24 10月 2017 00:08)
詳しいを回答ありがとうございます。フレーム破断を経験したことがないことで逆に不安が強くなっていましたが、少し気が楽になりました。軽くて薄い車体に体を預けることには常に恐怖を抱えていますが、神経質になりすぎず、メンテナンスと技術向上を徹底したいと思います。ありがとうございました。
サガミサイクル塚田 (火曜日, 24 10月 2017 15:35)
ご質問・コメントありがとうございました。
フロントフォークの破損は重大事故につながるので不安に感じるのは当然です。フロントブレーキ時の挙動に変化がないか、外見上の変化がないかなど定期的にチェックしてみてください。
ラ フランス (木曜日, 12 3月 2020 11:57)
カーボンハンドル で坂等の力が加わるところなどで、キシキシ音が擦るのはヒビ割れ等が生じているからですか?
ステムとハンドルを取り外し、もう1度締め付けてみましたが、結果は同じでした。
特にハンドル側にヒビの兆候もありませんでした。
ハンドルもステムも、カーボンですので滑り止めグリスは塗っております。