チェーンの摩耗

 チェーンの交換時期について。

 

チェーンの寿命は見た目ではなかなか判断できないので、磨耗度合いを計測する「チェーンチェッカー」という工具があります。これを使えば交換すべきかどうか判断できるわけですが、通常はまず走行距離を目安にします。

 

リアスプロケットが6~9速だと5000~7000km、10~11速なら3000~5000kmくらい走行したらチェーンチェッカーで測定してみると良いでしょう。

ただしこの目安は、チェーンの(最低限の)メンテナンスを行っている場合であり、汚れたチェーンやオイルの切れたチェーンを使い続ければ寿命は極端に早まります。逆に言うと、チェーンをいつもピカピカに綺麗な状態を維持している方は、チェーンの寿命が通常よりも長くなります。

 

チェーンが寿命を迎えたときに「チェーンが伸びた」と表現することがあります。実際にチェーンの長さが長くなるのですが、飴みたいにプレートが引っ張られて伸びるわけではありません。

 

ローラーの回転によってブッシュの外側が磨耗して、ピンを支点とするチェーンのプレートの動きによってブッシュの内側が磨耗します。ブッシュの磨耗によってローラーのガタ(遊び)、インナーリンクとアウターリンクのガタ(遊び)が大きくなります。チェーンのリンクのガタ(遊び)が大きくなることでチェーンの寸法が長くなります。

画像:DIDチェーン
画像:DIDチェーン

また、伸びたチェーンによってギアの磨耗が早まります。ローラーの摩耗とローラーのガタによってローラー間の隙間が広がるため、ギアはその広がった隙間にフィットするように偏摩耗します。

 

下の画像は左が摩耗したチェーンリング、右は新品です。歯先の形状を見れば違いは歴然です。チェーンリングの歯が摩耗するとチェーンをつかむ力が弱まるので、踏み込んだ時にチェーンが外れるような症状が出ます。これがいわゆる「歯飛び」です。

 

新しいチェーンに交換した時に、チェーンとチェーンリングの噛み合わせが悪くなることで歯飛びが起きやすくなります。寿命を迎える前に早めにチェーンを交換することで防ぐことができます。

気になる方は自転車をお持ちいただければ、当店でチェーンチェッカーを使用しての測定ができますのでお気軽にどうぞ。

 

text■塚田