※自転車に関する(関しなくても)皆様の素朴な疑問を募集します。
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川えびーにゃ様からのご質問です
質問: 一昔前はニューモデル発表といえば、ツール・ド・フランスの前でしたが今は各社バラバラな気がします。これはモデルがエアロやエンデュランスといった感じで細分化されている影響がありますか?
かつては「ツール・ド・フランス」といえばロードバイクファンにとって最も関心の高いレースイベントでした。メーカーとしてもプロモーション効果が大きかったので、新モデルをツール・ド・フランスに投入して、それが活躍すれば売れる、という仕組みが成り立っていました。
ところが近年ではロードバイクを買う人(お客さん)とロードレースファンは必ずしも一致するわけではなくなりました。ロードバイク好きな方でも、前回ツール・ド・フランスの優勝者を知らない、ってこともよくあります。優勝選手が使っていたフレームが飛ぶように売れるってこともなくなってきました。
現在ではほとんどのメーカーは8月~9月くらいにドイツで開催される世界最大の自転車国際見本市である「ユーロバイクショー」に新製品発表の照準を合わせているようです。
さらに最近では、製品の差別化が難しくなってきたためか、新製品の発表時期をあえてライバルメーカーとずらすことで注目を集めようとするメーカーの動きもあるようです。
また、ジャンルが細分化されてきたことも要因のひとつだと思います。顧客ニーズが多様化すれば販売戦略も多様化します。メーカーのラインアップの中でも、ジャンルによってターゲットは異なるので、プロモーション方法も変える必要があります。
答え:最近は夏~秋ごろの発表が多いのですが、少しづつ早まってきているような気がします。このままいけばそのうち、ツール・ド・フランス前の発表が通例になるかもしれません。
text■塚田
Freedman様からのご質問
素朴な疑問: カンパやスラムが12速化し、デュラも来年はモデルチェンジに合わせて12速化されると思うのですが、ホビーユーザーにはスラムのように10Tを追加されても一生使うことがない気がします。完成車には12-30とか14-32ぐらいのがいいんじゃないかと思うんですがプロショップとしては一般にはフロント・リアともどのぐらいが無難だと思われますか?
ギア比に関しては、用途や乗り手の脚力・速度域によって必要となる歯数は変わってくるので、「このギア比がベストです」とはなかなか言えません。
国内で市販されている完成車のギア比をみると、フロントが50/34T、リアが11-28Tというのが最も標準的な仕様だと言えます。しかし、普通に市街地を走行する場合、速度域はせいぜい30~40km/hくらいなので、フロントがアウター(50T)であればリアは14Tくらいで事足りてしまいます。
シマノが販売するカセットスプロケットはトップギアが11Tとなっているのが多いのですが、「11Tとか12Tはほぼ使わない」と言う声は多いです。現行105のカセットスプロケットのラインアップは(11-28T、11-30T、11-32T、12-25T)の4種類です。12-30Tとか12-32Tとかあれば確かに便利そうです。
シマノの考え方としてはおそらく、
「坂を登るのなら大きいスプロケットが必要→登りがあるなら下りもあるよね→下りでかっ飛ばすには11Tは必須だね!」
「登りも下りもない平坦ならクロスレシオの12-25で決まり!」
ってことなんでしょうか。32Tが必要な登りが多い割には11Tでかっ飛ばせる下りが少ないのは日本の特殊な道路事情が関係しているのかもしれません。
世界的にはフロントが52/36Tでリアが11-28Tというのがもっとも標準的なのだそうです。
そもそもロードバイクはレースを走るための自転車なので、レースで使用されるギア比をみてみると、フロントが53/39T、リアが11-25T or 11-28Tが一般的(コース設計にもよりますが)となります。
速さを求めるロードバイクにはトップギアの11Tはやっぱり必要です。「11T」は能ある鷹が隠す「爪」みたいなもの。たとえ使わなくても、この自転車はこれだけスピードが出せる、という「可能性」は残しておいたほうがいいのかもしれません。
スラムの12速コンポはカセットスプロケットが全てトップギアが10Tです。その代わりフロントシングルも想定して、フロントギアも小さめです。53x11Tと48x10Tが同じくらいのギア比になります。フロントシングル42Tでリアを10-33Tにすれば、50x12T~34x27Tのギア比をカバーできるので、10Tの出番は意外とあるかもしれません。
最後に個人的な意見ですが、私もトップは12Tで十分だと思います。ただ、30T以上の大きなギアはできれば付けたくないです。フロント52/36T、リア12-28Tが理想でしょうか。フロントシングルは面白そうなのでそのうち試してみたいです。フロントシングルなら、フロントが44T、リアは11-32くらいかな?
答え:「11T」は能ある鷹が隠す「爪」みたいなもの。トップギアが使えなくて嘆くのであれば、フロントのアウターを小さくしてみましょう。(こんなところにちょうど良い物が!)
text■塚田
バイク川本バイク様からのご質問
質問:今年でロードバイク歴25年を迎える者です。当時と比べて現在のロードバイクの進化は凄まじいものを感じますが、今からさらに25年後にはロードバイクはどのように進化すると予想されますか。
25年前といえばクロモリフレームが全盛で、アルミやカーボンなどの新素材が注目され始めた頃ですね。デュラエースもまだ8速でした。現在ではカーボンフレームが主流となって、当時よりも軽量で高強度なフレームがつくられるようになり、リアの変速段数は12速まで登場しています。さらには電動変速やディスクブレーキの普及なんかは、当時では予想できなかったかもしれません。
今後は進化のスピードはさらに早まるものと予想されます。機材そのものの物理的進化には限界がありそうですが、ロードバイクを取り巻く環境の進化が進むでしょう。安全性の面では、道路事情が改善されてより走りやすい自転車専用道路などの整備が進むと思います。また、自動車の自動運転や危険回避の技術が自転車にも応用されるかもしれません。
あとはVRやARといった仮想現実の技術が自転車を乗る環境に大きく影響を与えます。「Zwift」に代表されるように、もう既に広まりつつありますね。レース界においても、落車などの事故の心配がなく、交通規制の必要がないバーチャル空間でのレースは大いにメリットがあるし、これも既に取り組みが始まっています。ロードレース=インドアスポーツという認識が新たに生まれるかもしれません。
また25年後といえば、たびたび話題になる「シンギュラリティ」というのがあります。「技術的特異点」とか「2045年問題」とも言われますが、かんたんに言うと人工知能などの技術の進展によって人間の知性には及ばない爆発的な進化が発生するという事だそうです。映画なんかでもよくある、「高度化したロボットに人間が支配される」っていうアレです。
自転車にも人工知能が搭載されれば、「今日は雨が降りそうだからやめておこう」と自転車のほうが言い出すかもしれません。
答え:未来のことはよくわからないので勝手なことを書いてみましたが、現代のロードバイクを大事に手入れして25年後もクラシカルに楽しむのはいいかもしれません。
text■塚田
久しぶりの素朴な疑問コーナーです
素朴な疑問: いつもお世話になっております。サドルの高さについては色々な記事等があるのですが、サドルの前後について・・・こんな風に合わせているよ、などありましたら、紹介いただけたら嬉しいです。
サドルの高さに限らず、自転車のポジションに関しては数多くの「説」があって何が正しくて何が正しくないのか混乱してしまう方は多いのではないでしょうか。そもそもの要因は、「絶対的な正解が存在しない」ということと、「個人差による影響が大きい」ということが挙げられます。
適正なポジションは人それぞれであり、身長や体格などの寸法的な要素だけでは決まらず、筋肉量や関節の柔軟性でも変わってきますし、習熟レベルや心肺機能などの基礎体力も影響します。
体格を測定して入力するとコンピューターが適正なポジションを割り出すようなサービスもいくつか存在します。それらを否定するわけではありませんが、あくまで統計データを基にした数値なのでそれが正解というわけではありません。ただ理想に近づくためのヒントにはなるでしょう。
少々乱暴な表現かもしれませんが、ポジションなんて人それぞれ自由でよいと思います。速くなりたくて理想的なポジションを追求するのも自由ですし、気軽に乗りたいから楽なポジションにしたって自由ですし、好きな選手のマネをするのだって自由でいいと思います。乗ってて楽しければ(危険じゃなければ)それでいいと思います。
まずは試行錯誤をしてみることです。サドルを5mm動かしたらどう変わるのかを実際に体感することが重要です。試行錯誤を繰り返した結果どこかに落ち着く場合もあるかもしれないし、沼にはまってわけがわからなくなる場合もあるかもしれません。なので、試行錯誤もただ闇雲に行うのではなく目的を明確にする必要があります。
①現在の不満やどうなりたいのかを考え、解決案を考える
例)膝が痛くなるのをどうにかしたい
②実際に試してみる
例)サドルを3mm下げてみる
③試した結果どうのように変わったか検証する
例)膝は少し楽になったが、尻が痛くなった
④改善策を考える→①に戻る
例)サドルの前後位置や角度を変えてみる
そして大切なのは、自分がどうなりたいのかということです。
たまに、「私のポジションを見てください」と相談を受けて「見てどうすればいいんだろう」と思ってしまうことがあります。「私のポジションは間違っていませんか」と言われても、正解なんてないのだから答えようがありません。「もっと○○になりたいのですがどうすればいいですか」というのなら多少アドバイスは出来るかもしれません。でも私はフィッティングのプロではないのであまり信用しないほうがいいでしょう。ただ一般の人よりは多くの事例を知っているというだけのことです。
答え:なんだかんだ言って、結局質問に答えていないですね。でもやっぱり試行錯誤は大切です。
text■塚田
てんてん様からのご質問
質問:ジオメトリーはどのように読めば良いのでしょうか?速く走る自転車、ゆっくりのんびり走る自転車の違いは。
ジオメトリーによる乗り味の違いは、同一素材で寸法だけを変えて作られたフレームを何パターンも比較する必要があります。我々は色々なメーカーのフレームに試乗する機会はありますが、乗り味の違いが寸法によるものなのか素材や形状によるものなのかを判断するのはなかなか難しいです。実際には「ジオメトリーによる乗り味の違い」は理解しているようでわからない部分が多いような気がします。フレームビルダーやメーカーの設計担当者なんかはもっと詳しいノウハウを持っていると思います。一応、私見をもとに説明させていただきます。
クロモリフレームが主流だった頃はフレームサイズは1cm刻みで細かく選べましたが、今のフレーム大雑把に4サイズくらいしかない場合が多いです。さらに、メーカーや車種ごとの(ジオメトリーによる)特徴が少なくなってきているので、いわゆる「クセのある」フレーム設計が減少傾向にあります。ですので現状ではジオメトリーは体格やポジションに合ったフレームサイズを選ぶ上での数値として、ヘッドチューブ長やトップチューブ長(リーチ)くらいしか注目されていないような気がします。
ジオメトリーの寸法は、ポジションにかかわる部分と乗り味にかかわる部分に分けられます。ポジションにかかわる部分は前述したヘッドチューブ長やトップチューブ長、シートチューブ長、シートアングルなどです。乗り味にかかわる部分はヘッド角、トレール長、ハンガー下がり、リアセンター長などがあります。
ポジションを決める上で重視するポイントは、調整によってカバーしにくい部分から決めていくことです。ポジションを決める主な要素として、サドルの高さ・ハンドルの高さ・ハンドルのリーチがあります。この中で調整可能範囲が最も狭いのがおそらく「ハンドルの高さ」なので、それに対応するヘッドチューブ長がフレームサイズを決める上で重要になります。「サドルの高さ」は一番調整可能範囲が広いので、そこに対応するシートチューブ長は重要度が低くなります。しかし、数年前にはよく見られたフレームとシートポストが一体になった「インテグラルシートポスト」のフレームはサドルの高さの調整範囲が狭かったため、ジオメトリーのシートチューブ長を重視してフレームサイズを選択することもありました。
乗り味にかかわる部分は主に「ヘッド~フォーク」と「ハンガー~チェーンステー」の2ヵ所に注目します。ヘッド角やトレール長、フォークオフセットなどはハンドリング性能や直進安定性にかかわってきます。中でも「トレール長」が要素として大きいです。ヘッド角が小さくなれば(ヘッドが寝る)、トレール長は長くなり、フォークオフセットが大きくなれば、トレール長は短くなります。トレール長は長いほうが直進安定性が高くハンドリングはマイルド(アンダーステア気味)です。トレール長が短いとクイックなハンドリングになります。
ハンガー下がりやリアセンター長は踏み込んだときの反応性に影響を及ぼします。ハンガー下がりが小さくリアセンター長が短いと踏み込みに対する反応性が増します。ハンガー下がりが大きいと重心が下がって安定感はありますが反応性は穏やかになります。
実際のところはフレームを寸法指定でフルオーダーする場合以外はあまり細かいことは気にする必要がないのかもしれません。というのも、乗り味にかかわるトレール長やハンガー下がりなどは、フレームサイズが違っても同じモデルなら同じ数値になっている場合が多いです。違うモデル同士でジオメトリーを比較しても素材や形状が違うので、冒頭で述べたように乗り味の単純比較はできませんが、レーシングモデルは「反応性重視」、エンデュランスモデルは「安定性重視」の設計にちゃんとなっているのがわかります。
答え:ジオメトリーは奥が深いですね。注目するポイントを絞ればわかりやすくなるのではないでしょうか。
text■塚田
ポン吉様からのご質問
質問:他のショップで購入したバイクのメンテやパーツ交換はしてもらえますか?
ご質問の回答としては至ってシンプルに「はい、できますよ」とお答えしておきます。
でも、それだけで終わるわけにはいきません。
ご来店時や電話などでも同じような質問をたびたび受けます。何故そんなことを聞くのかといえば、他店購入の自転車の修理や整備を断るショップが存在するからです。それぞれのお店にはいろいろな事情もあるでしょうし、営業方針もそれぞれですので、他店購入の自転車を断ろうが受け入れようが自由です。お店としては自店で販売した自転車を優遇するのは当然のことです。
当店にお持ち込みいただく整備や修理の自転車のうちで他店購入車の割合は意外と多いです。全体の2~3割くらいですかね。中には(他店で)買ったばかりの自転車なのに当店に調整を依頼しにきたお客様もいました。よっぽどその買ったお店に持って行きたくない事情でもあるのでしょうか。
他店購入車の修理を断るお店の理由としては、
・自店販売の自転車の整備で手がいっぱいで他店購入の自転車まで手が回らない。
・製品不良によるトラブルを避けるため。
・一部モデルによっては専用工具が必要となるから。
・修理で預かる自転車を保管するスペースが確保できない。
・触ったことがないメーカーの整備に自信がない。
・作業ミスに対するクレームを恐れて。
・海外通販に対するささやかな抵抗。
・面倒くさい。
などといったところでしょうか。
当店では常時3名のスタッフがメカニックとして対応しており、ほとんどの修理やメンテナンスをその場で完了するように努めています。作業量の多いオーバーホールや、部品取り寄せが必要な修理以外は基本的に当日中にお持ち帰りできます。
ただし、当店でもご依頼をお断りするケースもあります。
・違法な自転車の整備(ブレーキ無しなど)
・手を加えることで破損のリスクが極めて高い場合
・強度や安全性を著しく低下させるような加工
上記に該当しなければ、大抵の作業は引き受けることができます。工賃などについては、現物を見させていただいてからお見積もりさせていただきます。
海外通販に関してひとこと付け加えると、フレームやパーツなどが驚くほど安く販売されている一方で、購入後のアフターサービスを受けにくいという欠点もあります。そのアフターサービスの部分を近所のショップが有料で引き受けてくれたとして、その代金を合わせた金額がその商品をそのショップで購入する金額より安い(大抵そうなる)のであれば、ショップで購入するメリットがほとんどなくなってします。これはショップにとっては死活問題です。
消費者にとっては同じ商品なら少しでも安く購入したいのは当然のことなので、ショップとしては価格で対抗できないのであればそれ以外のサービスなどの付加価値で訴求するしかありません。自転車店に限らず、ただ単にモノを売っているだけの小売業は将来的にネット通販に駆逐されるでしょう。
答え:はい、できますよ。
text■塚田
年末年始にいただいたご質問をまとめて。
九鬼正平様からのご質問
質問:ロードバイクの冬場のトレーニングにシクロクロスが良いと聞きますが、室内ローラートレーニングと比較してメリットやデメリットを教えてください。
まっするロード様からのご質問
質問:とあるロードバイクに惚れて、自分の実力的にはもったいないのですがどうしても忘れられません。明らかに実力以上(高い)のロードバイクの見積もり・購入とか二の足を踏んでしまいます。プロフェッショナルの店員さんからはどう見え、どう思うのか一度お聞きしたいです。
人目が気になるというのであれば、気にしすぎなのかもしれません。用途を大きく逸脱する(TTバイクに荷物を積みたいとか)のでなければ、欲しいと思ったものを買うというのが最も間違いのない選び方だと思います。
そもそも自転車のグレードと乗り手の力量には相関性はありません。アルミフレームのエントリーグレードの完成車に乗ってレースで活躍しているアマチュア選手を知っていますし、逆に、一切レースに出るわけではないのにプロスペックのバイクでのんびりサイクリングするおじさんライダーもいます。
プロ(店員)の立場からみても、「もっといい自転車に乗ればいいのに」と思うことはあっても、「この人にはオーバースペックだな」と思うことはありません。それよりも、「ちゃんと手入れされているか」とか「大事に乗っているか」とかの方が気になります。誰であれ、より良い自転車、より良い機材を求めるべきです。強い選手がレースに勝つためにハイグレードな機材を選ぶことと、一般の方が自分の実力を機材で補うためにハイグレードなものを選ぶことは同じ価値であると思います。
ちゃんと長く大事に乗り続けるのであれば、お気に入りの1台を手に入れるのは早い方がいいです。たくさん乗ることで自身のレベルもアップするし、気に入ったバイクを所有する喜びは何物にも替え難いものですよ。
答え:さあ、買っちゃいましょう!
text■塚田
けむけむ様からのご質問
質問:ディレイラーハンガーってなんでモデルによってバラバラなのでしょうか。少し前のロードに使っていたハンガーが入手困難では安心して乗り続けられません。
赤パンちゃんだ様からのご質問
質問:最近しょっちゅうパンクばかりして困っています。先日も仲間とのツーリングで50kmくらいのあいだに私だけ2回もパンクしました。何か気をつけることはありますか?
「パンクは運だ」という意見もよく聞きますが、気をつけることでパンクのリスクはある程度減らせます。
まずは空気圧。適正気圧より多すぎても少なすぎてもパンクのリスクは発生します。こまめにエアーを補充することと、乗る前に空気圧をチェックする習慣をつけましょう。
次に走り方。段差を避けるのはもちろんのこと、道路の端や路肩を走行するとパンクしやすいです。パンクの原因となる異物は道の端っこに落ちている場合がほとんどです。でもだからといって道路の真ん中を走るわけにはいきません。白線(車道外側線)の上か、やや車道寄りを走るのがちょうどいいです。車道の幅が十分に広い道を選ぶことも重要です。(路側帯が十分に広ければ路側帯を走ります)
走りながら路面をよく見ることも大切です。ガラス片なんかは光が反射してキラキラするので事前に察知して回避することも出来ます。「なんか踏んだかも」って思ったときも走りながらタイヤを手や足などで払うテクニックもあります。
あと、意外と多いのが不十分なパンク修理(またはチューブ交換)が原因によるパンク。タイヤを外した時にタイヤに異物が刺さったままになっていないか、タイヤに大きな亀裂がないこと、リムフラップが切れたりずれたりしていないかチェックします。チューブを入れてタイヤをはめる際に噛み込み(タイヤビートとリムの間にチューブを挟むこと)がないように注意します。
ロードバイクの場合は空気圧が高圧になるため、パッチによるパンク修理は完全ではないのでなるべく新品のチューブに交換したほうがいいです。
最後に、「最近パンクしていないなー」とか言わないこと。パンクの神はこのセリフを聞き逃しません。
以上のことを気をつけていればパンクのリスクは減らすことが出来ます。おかげで私は自転車通勤していてもここ数年パンクしていません。
答え:まずは「日ごろの行い」から気をつけましょう。
text■塚田
剛毛教師様からのご質問
質問: 先日ネットで、カーボンの内部破断を調べるコインチェックなるものを見つけ、試したところ、フロントフォークで明らかに音が鈍い箇所が。表面にヒビ等はなく、走行中も特に異常を感じないのですが、これは直ちに修理すべき危険な状態なのでしょうか?
久しぶりの「素朴な疑問コーナー」です。以前にもクラックに関する質問があしました。みなさん気になるところなんですね。
確かに、カーボンのクラックをチェックする簡単な方法として「打診」が一般的です。割れている箇所は明らかに他の部分と音質が異なります。ただ、あくまでも簡易的な検査方法なので100%的中できるものではありません。実際にクラックがあるのに音では判断できない場合もあるし、逆に異常がないのに音が変化する場合もあります。
ひさしぶりの素朴な疑問です
中年A様からのご質問
質問:新しいデュラエースは具体的にどこが良くなっていますか?9000系を使用しているのですがグレードアップする価値はありますか?
これは店頭でもお客様からよく聞かれる質問です。正直に言えば7900から9000に変わったときに比べて今回のモデルチェンジはインパクトに欠けます。11速のままですし。7800から7900に変わったときも10速のままでしたが、新しいほうが評判悪かったです。果たして今回のモデルチェンジはどうなっているのでしょうか。
まずは見た目。新しいR9100の方が評判悪いです。高級感は9000に軍配が挙がるように思ます。でもこれはモデルチェンジする度に毎回言われることだし、好みの問題だからやんわりとスルーしておきましょう。
次にわかりやすいところで重量を比較してみます。まずは機械式コンポから。
ど素人様からのご質問
質問:初めてスポーツバイクを買うのですが、クロスバイクにするかロードバイクにするか迷っています。そもそも、ロードバイクとクロスバイクの違いって何ですか?
まずは違いから。見た目でわかりやすそうなところでいうと、ロードバイクはドロップハンドルでタイヤが細く車重が軽い。クロスバイクは主にフラットハンドルでタイヤも少し太め。
根本的な違いはざっくり言うと、ロードバイクはロードレース用に設計された自転車で、クロスバイクはロードバイクやMTBをベースに日常の足としてやサイクリングなどで使いやすいように作られた自転車です。
昔はクロスバイクといえばシクロクロスやクロスカントリーなどのオフロード競技用の自転車のことを指していましたが、今一般的に言われるクロスバイクはマウンテンバイクとロードバイクの中間的な存在の競技用でない自転車のジャンルを指しています。その定義がやや曖昧なので、どこまでをクロスバイクというジャンルに含めるのか難しいところですが、一般的なクロスバイクの大まかな特徴をあえて挙げると、ハンドルは主にフラットバー、タイヤサイズが700x25~38C、ブレーキはディスクorVブレーキ、サスペンションはついていないものが多く、スタンドや泥除けを取り付けられるように作られてる、などでしょうか。
一方でロードバイクと呼ばれるもの(一部モドキは存在しますが)は全てオンロードの競技で使用することを想定して作られているので、日常で使用するにはやや不便な側面もあります。段差や悪路の走行に向いていなかったり、駐輪がしにくいなどという欠点があります。その代わりに、舗装路での純粋な走行性能は格段に優れています。
クロスバイクとロードバイクのどちらを買うべきかは、ご予算と用途でおおよそ決まってきます。ご予算は7~8万円くらいがボーダーラインです。それ以下ならクロスバイク、それ以上出せるならロードバイク。用途としては日常の足として使うのならクロスバイク、純粋に自転車に乗ることだけを長く楽しみたいのであればロードバイクがおすすめです。できればご予算よりも用途を重視してください。最初は安いクロスバイクを買ったけどすぐに物足りなくなってロードバイクに乗り換える方は結構たくさんいます。安い買い物ではありませんので、ご自分に適した素敵な自転車が買えるといいですね。
答え:当店ではクロスバイクもロードバイクも豊富に取り揃えておりますので、ご来店いただけましたらいつでもご相談にのらせさせていただきます。
text■塚田
Harada様からのご質問
質問:「カーボンフレームで固定ローラーを使うとフレームが痛む?」とかネットにありますが、どうなんでしょうか?
結論から言えば、「傷みます」。メーカーによっては保証対象外になることもあります。
後輪が固定されているので、踏み込んだときにBB~リアステーの横方向のしなりが制限されてエンド付近にねじれる力が集中します。これが直接破損の原因となることは稀ですが、カーボンの積層が内部剥離したりしてフレームの寿命を早める可能性があります。特に激しくダンシングしたり、もがいたりするのはやめたほうがいいでしょう。
一方、3本ローラーは実走に近い状態なのでフレームに無理な力はかかりにくいです。ただ、3本ローラーの場合は固定ローラーと違って転倒のリスクもあるので注意が必要です。
しかしだからといって「トレーニングは実走あるのみ!」と言うわけではありません。常に一定の負荷で休まず続けられるなど、ローラー台でしかできないトレーニングもあるので、強くなるにはローラートレーニングも積極的に取り入れたほうがいいと思います。より本格的にローラートレーニングに取り組むのであれば、ローラー用のスペアバイクを用意するか、カーボンフレームをへし折る勇気が必要になります。
あとこれはカーボンフレームに限らずですが、「汗」が自転車を傷めます。ローラートレーニングだと風が少ないのでただでさえ汗をかきやすい。そして頭や顔の汗がハンドル・ヘッド付近に垂れます。その汗が原因でボルト類やヘッドベアリングを錆びさせます。そして錆びによって膨張した金属部品が間接的にフレームを傷めることになります。ローラートレーニングをやっている方のヘッドベアリングの寿命は、通常使用よりも驚くほど短いのです。なので、タオルを敷くなど汗が自転車にかからないようにすることと、トレーニング後の洗車・注油は必須です。これをきちんとやっている方は少ないと思います。
答え:本当に強くなりたいのであれば、フレームは消耗品です。へし折るまで練習しましょう。
text■塚田
坂上登様からのご質問
質問:自転車に関連するスマホのアプリでおすすめはありますか?
自転車関連のアプリといえば、サイクルコンピューターやナビゲーションシステムとして使えるものが主ですが、情報関連やゲームなどいろいろあります。実際にたくさん使って試したわけではないので、おすすめというか、現在私が使用しているのをご紹介します。
今さら感が満載で既に知っている方も多いと思いますが、「STRAVA」というアプリです。
スピードメーターとしての機能もありますし走行ルートを確認することも出来ますが、画面を表示させたままだと電池の消耗が速いので私の場合はアプリを起動させてスマートフォンはバッグの中にしまっておきます。位置情報をオンにしておけば画面は消えたままでもちゃんと走行ログは記録されるので、走り終わったらデータを保存します。
ここまでは他のサイコンアプリとだいたい同じですが、醍醐味は「セグメント記録」にあります。簡単に言うと短い区間でのタイムアタック機能で、誰かが設定した区間(自分でも区間を作成できます)を通過するとスタート地点からゴール地点までのタイムが自動的に保存されます。ほとんどの区間は短い登り坂とか数分以内で通過できるもので、信号の影響を受けないように設定されているものも多いです。アプリの画面を表示している状態であれば、設定された区間のスタート地点が近づいていることを知らせてくれ、区間走行中はゴール地点までの道のりとラップタイムが表示されます。
走行データを保存すると区間ごとのランキングで自分が何位なのかがわかります。さらにトップタイムの者にはKOMの称号が与えられます。ランキング上位をめざして自分のベストタイムを更新することがモチベーションになるので、一人で走っていても競争相手がいるみたいで面白いです。
私の場合はほぼ通勤メインで使っているのですが、片道約17kmのルートで行き帰り合わせて約10の区間が設定されています。このアプリを使うまでは通勤中はなるべく汗をかかないようにのんびり走っていたのですが、設定された区間が近づくとついつい頑張ってしまうので、ちょっとしたインターバル走になってしまいます。
いつも同じルートばかりでマンネリを感じている方にはおススメです。
答え:STRAVAがおすすめです。※走行中のスマホの操作は危険ですので、ルールとマナーを守って使用しましょう。
text■塚田
毎夜業務様からのご質問
質問:シマノコンポの自転車にカンパニョーロのホイールは邪道ですか?
いつもご苦労様です。
自転車のコンポメーカーは現在、シマノ・カンパニョーロ・スラムの3大メーカーが市場を占めています
シマノとカンパニョーロをミックスで使用するのを「シマニョーロ」と表現するのは誰しも一度は耳にしたことがあるかもしれません。スラムとカンパニョーロだったら「スラニョーロ」となります。
シマノとスラムではどうか。試しに「シマラム」でググってみると某ファッションセンターが検索上位にヒットしてしまいます。どうやら「スラノ」と表現するのが一般的なようです。
ちなみに私は変速機系統をカンパ、フリーをシマノ、ブレーキをスラムで組んだ自転車があるのですが、この場合は何と呼びましょうか。「カンスラノ」でも「スラニョーマノ」でもいいですが、「シマニョーラム」というのが単語の響きとしていちばん自然ですね。「国際フォーラム」みたいな感じです。
さて、話が逸れました。シマニョーロが邪道だという考え方は最近ではあまり聞かれなくなったような気がします。カンパニョーロで組まれた自転車にシマノホイールというパターンはあまり見かけませんが、逆の組み合わせは割りと一般的によく見られます。一定の市民権を得たと言っていいと思います。
いにしえの時代には「サンツァー」や「サンプレックス」、「ユーレー」、「マヴィック」など多くのコンポメーカーがしのぎを削っており、ミックスで使うのが割りと当たり前でした。現在では互換性の問題で全てのパーツをミックスするのには無理がありますが上位グレードの11速コンポどうしであれば、ブレーキキャリパーやチェーン、クランク、フロントディレーラー、スプロケットなどはある程度組み合わせて使用することができてしまいます。
「パーツカスタム」は自転車の楽しみ方のひとつでもあります。無理な組み合わせで危険を伴うのでない限り、楽しみ方は本人の自由でいいと思います。
答え:「シマニョーロ」という言葉は、もはや死語かもしれません。
text■塚田
明後日のジョー様からのご質問
質問:新しく発売されるDURA-ACEのパワーメーターが気になって夜も眠れません。
今やパワーメーターはプロアマ問わず、自転車レースのトレーニングに必要不可欠なツールです。レース志向ではないホビーサイクリストの間のも一般的なものになりつつあります。
シマノが満を持して発売する、コンポメーカー純正のパワーメーターということで、これが気にならない方がおかしいです。
主な機能は以下の通りです。
・ANT+、Bluetooth対応
・左右のクランクそれぞれにパワーセンサー
・突起物が少ないので、あらゆるフレームに取り付け可能
・充電式バッテリー内臓
・チェーンリング交換にも影響を受けにくい
・正確なデータ収集、高い防水性
・予想販売価格は15~16万円くらい
機能だけをみると、特に目新しいものは無いような気がします。シマノは専用のサイクルコンピューター(ディスプレ)を作るつもりは無いようなので、GARMINなど他社メーカーの各種ディスプレイで表示できるように独自の機能は取り入れませんでした。
「Bluetooth対応」というのは、ひとつのポイントかもしれません。スマートフォンとの連携を意識してか、これから登場する電子パーツはBluetooth対応がマストになりそうです。「STAGES POWER」と「Keo POWER」と「ROTOR 2INPOWER」が現在発売されているパワーメーターの中でBluetooth対応です。
クランク本体の価格が¥55,980(税別)なので、パワーセンサー分がプラス約10万円ということになります。これが安いのか高いのか。
「ROTOR 2INPOWER」は¥188,000で、通常の「3D+CRANK」は¥54,000だから(差額¥134,000)、これよりは若干割安ですね。
「PIONEER SGY-PM910H2」はクランク代別で¥129,600ですが、こちらには「ペダリングモニターシステム」という独自の機能があるので、単純比較はできません。
まだ発売前で実物も見ていないのでなんともいえませんが、Di2と連携するような機能があるのなら期待したいですね。
話は逸れますが、パワーセンサー内臓のシューズが製品化されたらちょっと欲しいかも。
答え:個人的にはパイオニアの方がいいような気がします。おやすみなさい。
text■塚田
NIRONE様からのご質問
質問:ロードバイク初心者なのですが、下りが怖いです。恐怖感をなくすにはどうすればいいですか?
「下りは度胸」とは良く言われますが、スピードに対して恐怖を感じることは正常であり、その恐怖感こそが身を危険から守る防衛反応であることを忘れてはいけません。なので、恐怖感をなくすことが必要なのではなく、より安全に走れるようになることが重要です。
そして何を隠そう、私も下りが苦手だ。
下りで感じる恐怖感は主に以下の3つです。
・スピードに対する恐怖
・コーナーリングの恐怖
・障害物や対向車の恐怖
そしてその3つを克服するために必要なスキルは
・ブレーキコントロール
・タイヤのグリップを知ること
・危険を察知する能力
安全に速度をコントロールするためには、制動距離がどのくらいになるのかを知っておくことが重要です。速度が増せば制動距離は長くなりますし、路面の状態や使用する機材によっても変わってきます。これは頭で覚えるよりも体で覚えるべきことです。
タイヤのグリップの限界を知ることも必要ですが、限界ギリギリまで攻めるわけではないのでこれはなかなか難しいです。安全に曲がれる速度や角度を把握しておくことと、タイヤのグリップを最大限に生かすための体の使い方を習得することです。コーナーリング中にブレーキを効かせすぎるとスリップしやすくなるので、曲がる前に十分に減速することが最も重要です。
そして危険を事前に察知するには、路面の状況やコーナーの出口に注意を向け、視界を広く取ることです。万が一障害となる物があっても余裕を持って回避できるように備えます。
また基本的なことですが、下るときは下ハンドルを握りましょう。下っている途中では危険なので下り始める前にハンドルを持ち替えましょう。なぜ下ハンドルがいいかというと、ブレーキレバーをより強く引けるのと、振動などでハンドルから手が離れずによりしっかりと握れるからです。
あとは機材に頼るとすれば、上級グレードのブレーキキャリパーに交換する、ハイグリップなタイヤを使用するなどが効果的です。さらに欲を言えば、剛性と制動力の高いホイールや、振動吸収性の高いカーボンフレームを使用すれば、下りでの安全マージンはさらに高まります。
答え:流行の「ディスクロード」がおススメかもしれません。
text■塚田
加藤様からのご質問
質問:フレームを拭いていたら、左側のチェーンステーの内側にクラック、ヒビ割れを発見。恐らく三年程前に車に突っ込まれ落車した時にできたものと思われます。このヒビ割れは修理した方が良いですか?今のところ問題は無いのですが、心配なのでアドバイスを頂きたく存じます。
カーボンフレームのひび割れは非常に心配ですね。
小さなヒビでも内部がどうなっているかは、超音波検査でもしない限りわかりません。表面は平気でもカーボンの積層が内部で剥離していることも考えられます。
重大なクラックであれば、だいたい一目で割れていることがわかる場合が多いです。平気かどうか心配される微妙なヒビはペイントクラック(塗装のヒビ)である場合がほとんどです。ペイントクラックであれば見た目の問題だけで強度上の問題は無い可能性が高いです。
もしそのクラックが3年前の事故で発生したものだとしたら、いままで異常なければ今後も恐らく問題ないでしょう。内部に重大な問題があれば異音が発生したり、しなり具合に変化が生じたりする可能性があります。
カーボンフレームは取り扱いがデリケートでちょっとした衝撃ですぐ割れてしまう、といったイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。職業上たくさんの事故車両を見る機会がありますが、最近のフレームは交通事故でも壊れないものが多いような気がします。過信は禁物ですが、心配しすぎる必要も無いと思います。
トラブルを未然に防ぐには、フレームを常に綺麗にするなどの手入れを怠らないことで細かい変化を見逃さないようにすることです。
下記のような症状があれば、カーボンが割れている可能性大ですので修理をお勧めします。
・ヒビの部分が触ってわかるくらいの段差がある
・指でなぞると棘のようなものがひっかかる
・ヒビの部分を強く押すとミシミシ鳴る
・ヒビが少しずつ広がってきた
答え:商売上は「危険ですので買い替えをお勧めします」と言いたいところですが、実際は問題ない場合が多いです。心配でしたら一度お持ちください。
text■塚田
スコットADDICT様からのご質問
質問:先日そちらでロードバイクを購入したばかりなのですが、盗難が心配です。もし盗難にあってしまったらどうすればいいですか?
先日はお買い上げありがとうございました。確かに盗難は心配ですし、実際に多いです。まずはいうまでも無く、盗難に遭わないように心がけるのが最も大切です。長時間駐輪しない、必ず固定物と一緒に施錠する(地球ロック)、切断されにくい丈夫な錠前を使う、これが基本です。
そして、万が一の盗難に備えて予め用意しておくといい物がいくつかあります。
1.自分の自転車の写真を(できれば複数枚)撮っておく
2.自転車の型式や詳しい特徴をメモしておく(メーカー、年式、モデル名、交換したパーツ、傷などの特徴)
3.防犯登録の控えや保証書の写真を撮っておく(当然原本もなくさずに保管しておく)
これらをまとめてスマホなどに保存しておくといいでしょう。
実際に盗難に遭ってしまったら、まず真っ先に警察に行って盗難届けを出しましょう。この時に防犯登録の控えが必ず必要となります。これが無いと盗難届けが受理されないことがありますのでご注意ください。
盗難届けを出したらひとまず安心かというと、ぜんぜんそんなことはありません。警察は盗難車を探してはくれません。じゃあどうするか。そうです、自分で探します。
盗難自転車情報の掲示板(http://www.cycle-search.info/csi/)に登録します。ここで自分の自転車の情報をネットで拡散して、なるべく多くの人に見つけてもらうように呼びかけます。
この時に自分の自転車の写真や詳しい情報があるのと無いので大きく違ってきます。第三者がそれらしき自転車を発見したとしても、それがあなたの自転車だと判別できるようでなくてはなりません。
あとは近隣の中古買取店を見て回ったり、オークションサイトをこまめにチェックします。ヤフオクの「アラート機能」を使うと便利です。
もし自分自転車らしきものを発見した場合、ここからが大事です。ヤフオクや中古車販売店で発見した場合、すぐさま「それ俺のです!」って出品者や店員に言ってはいけません。隠されます。当然ですよね、ヤフオクの出品者は犯人そのものかもしれないんだし、盗難車を買い取ってしまった第三者だったとしてもお金を払ってしまっているわけなので、「そうですか、じゃあ返します」とはなりません。十中八九自分のだとわかれば、(フレームナンバーなどで確認できれば完璧)、ここで警察に通報です。警察は探してくれるわけではないので頼りにならないと思いかもしれませんが、被害届があってモノがあれば、警察は驚くほど迅速に対応してくれます(ラクな仕事だからです)。
モノが警察によって押さえられて、実際にあなたの自転車である確認が取れれば、晴れて手元に返ってきます。
最後に、狙われやすい自転車。
1.新車・高級車
2.いつも同じところに駐輪されている
3.施錠が甘い
4.レース会場などで無防備に置かれた自転車
5.車内に積みっぱなしの自転車
答え:気をつければ大半は防げます。万が一遭ってしまったとしても根気よく探しましょう。プロの犯行でなければ見つかる可能性は十分にあります。
text■塚田
koh様からのご質問
質問:先日の事故の影響もあり、事実上レースでのディスクロード使用(試用)が禁止されました。メーカー各社の2017年度ラインナップにも影響すると思われますか?
今、HOTな話題ですね。ディスクブレーキの是非に間して以前もご質問
がありましたが、またちょっとちがった内容です。
先日の事故というのは、4月10日にフランスで行われたクラシックレース「パリ~ルーべ」で、集団落車があった際に選手の一人がディスクローターで膝に深い傷を負った事故です。これによって選手会がUCIに対してディスクブレーキの使用中止を求め、UCIがこれに応じる形となりました。
プロレースでの使用が危ぶまれるのであれば、当然メーカーの製品開発にも影響が出ると思われますが果たしてどうなることでしょう。
メーカーとしては「売れない商品」をわざわざお金をかけて作ったりはしないですし、せっかく作った製品が売れなくなりそうな事態が起きれば、売れる方向に持っていこうとするものです。実際にディスクブレーキのロードバイク(以下ディスクロード)はフォーマットがほぼ完成しており、各メーカーの2017年モデルは既に製造が始まっています。「もう作っちまったから遅いよ」っていう状態です。
ディスクロードはレース用の機材としてだけでなく、ロングライドやツーリングモデル、近年欧米で人気が高まっている「E-Bike」などに搭載され新たな市場の拡大を狙っています。これらのジャンルにはUCIの規定は関係ありません。ただ、レースでの使用が無いとなればハイエンドモデルは販売し辛くなります。なのでメーカー側はレースでの使用再開へ向けてUCIに働きかけることでしょう。彼らがUCIのスポンサーでもあるわけですし。
UCIではあくまで、ディスクロードのトライアル(試験使用)を一時中断したというだけで、使用禁止したのとは少し違います。使用停止の期間や2017年シーズンの全面解禁についてはまだ言及されていません。
また選手側もディスクブレーキの安全性だけを問題視しているわけでもないようです。ホイールの固定方法が現在のクイックリリース方式から、ディスクロードだと「Eスルーアクスル」に変更されます。これによってパンク発生時のホイール交換に時間と手間が余計にかかります。パンクで集団から遅れれば、復帰するのに余計な体力を消耗することになりますし、その数秒がレース結果に大きな影響を与えることもよくあることです。さらには、先日の事故も実はディスクローターで怪我をしたのではなく、クランクのチェーンリングで切った怪我ではないかという話もささやかれております。
結局はメーカーとUCI、プロ選手、そして一般ユーザー、それぞれの利害関係のうまい落しどころを模索して(お金を持っている者が優位に)事態を進めていくのではないでしょうか。
答え:2017年モデルのラインアップには影響はほぼ無いと思います。今後もディスクロード解禁の方向へ進んでいくはずです。
text■塚田
いくつかのご質問をまとめて。
匿名様からのご質問
質問:MAVICのコスミックカーボンはなぜ「CARBON」ではなくて「CARBONE」なんですか?
答え:フランス語表記です。「カルボーヌ」と読みます。
スティーブ・ジョブス様、他2名様からのご質問
質問:シマノのデュラエースはそろそろモデルチェンジですか?12速になるんですか?
答え:秘密です。もう少ししたら情報が出てくると思います。
あ様からのご質問
質問:僕のDEFY4とプロ選手の自転車を交換して競争したら勝てますか?
答え:たぶん勝てません。
saito様からのご質問
質問:一番面倒くさい修理はどんな修理ですか?
答え:ど、どんな修理もy喜んででお受けしますよ!(汗)
(自転車が綺麗だとうれしいです)
text■塚田
坂苦手様からのご質問
質問:先日、「激坂サイクリング会」のブログを拝見しました。(中略)私の貧脚では20%以上の勾配で足を着いてしまうことが多いのですが、何かコツみたいなものはあるのでしょうか。
いつも読んでいただいてありがとうございます。
激坂を登るコツとしては、①ギア比、②ペダリング、③重心の位置、この3つがポイントとなります。
まずギア比は、激坂の途中で変速操作をするのは困難なので、余裕を持ってはじめからインナーxローを使う場合が多いと思います。この時に一定のケイデンスを維持しつつも無理なくパワーをかけられるギア比であることが必要です。
次にペダリング。勾配がキツければダンシングになりますが、ただ踏みおろすだけでなく、通常のダンシングよりもクランクの円運動を意識します。クランクが1回転するあいだに常に一定のトルクを与え続けるようなイメージでムラのないように。
匿名様からのご質問
質問:ビンディングペダルのspeedplayの交換判断基準を教えてください。
SPEEDPLAYに限らず、ビンディングペダルのクリートは着脱や歩行によって消耗します。消耗すれば着脱にも影響が出ますので、定期的な交換が必要になります。
SPEEDPLAYのクリートは金属製のプレートで保護されているので磨耗に強いような気もしますが、減ってくるとプレートを固定しているねじの頭も削れてきます。工具が入らないくらいまで削れてしまうと、最悪の場合取り外せなくなってしまいます(何度か外れないクリートと格闘したことがありますが結構大変でした)。
ねじねじ様からのご質問
質問:ディレーラーの調整ねじは何故+ねじを使っているのでしょうか。
たしかに、一般的なスポーツタイプの自転車に使用されるねじ類は六角レンチを使用する「六角穴付ボルト」がほとんどで、+ドライバーを使用するネジはごく一部でしかありません。
では+ドライバーを使用するねじは何があるか。フロントディレーラー・リアディレーラーのアジャストボルトのほかに、ブレーキキャリパーのアジャストボルト、ブレーキシューの脱落防止ねじ、STIレバーのプレート固定ねじ、ベルやリフレクターの取り付けねじ、バーエンドプラグの固定ねじ、クロモリフレームのリアエンド調整ねじ、といったところでしょうか。
これらの共通点は、「強い固定力が必要でない」ということと「比較的小さいねじである」ということがあげられます。また「調整のためのアジャストボルト」である場合が多いですね。
六角穴付ボルトのほうがトルクをかけられるので固定力が必要な箇所は当然こちらを使います。小さいねじの場合は2.5mm以下の六角穴だと差し込み穴をナメやすいので、プラスねじの方が都合がいいのだと思います。あとはコスト的にもプラスねじの方が安く手に入るというのも要因の一つでしょう。
話は変わりますが、実際にこのアジャストボルトの役割をきちんと理解していない人が多いように思います。「変速調整を自己流でやってみました」という人のほとんどはこのアジャストボルトの調整を間違えています。このネジはディレーラーの可動域を決めています。可動域が広すぎるとチェーンは脱落してしまうし、狭いと端のギアまで変速しにくくなります。組み付け時にしっかり調整しておけば、リアエンドが曲がったり、フロンとディレーラーの取り付け位置に変更がない限りはこの可動域は変わません。なので基本的には触る必要がありません。でも、わかりやすい位置にあって+ドライバーで簡単にまわせるから、つい手を出してしまうのでしょう。
ここの調整が狂っていると、チェーンが脱落して最悪の場合はホイールに巻き込むなどのトラブルが起こりうるので、仕組みを理解しないでむやみに弄るのはやめたほうがいいです。
答え:ナメられたくないからです。
text■塚田
g39g0様からのご質問
質問:ロードバイクのフレーム素材は今やカーボンが主流となりましたが、今後はどういったものに進化するでしょうか?
19世紀始めに発明され自転車の起源とされる「ドライジーネ」は全て木製でした。その後は長らく鉄フレームの時代があり、1970年代に入ってアルミフレームとカーボンフレームが登場します。そして2000年頃にはカーボンフレームが各メーカーの主流となり、現在に至ります。チタンやマグネシウムもありますが、なかなか主流とまではいきません。
カーボン素材そのものは40年前からはかなり進化しており、今では当時とは比べ物にならないほど軽量で丈夫に作られるようになりました。今後もまだまだ進化する伸びしろがある以上、しばらくはカーボンの時代が続きそうです。
そんな中、今注目の新素材といわれているのが「セルロースナノファイバー」です。
セルロースは炭水化物の一種で、植物細胞に多く含まれます。食べ物に含まれるセルロースは「食物繊維」とも呼ばれ、繊維状の物質であることがわかります。そのセルロースをナノレベルにまで細かく解きほぐしたものが「セルロースナノファイバー」で非常に軽量で弾性率の高い物質となります。
カーボンも炭素繊維を樹脂で固めたものなので、同じようにセルロースナノファイバーを束ねて樹脂で固めれば強い素材がつくれそうです。原料は木材(廃材や端材)からとられるので大量生産が可能になればカーボンよりも安価で環境負荷も少なくなります。
またカーボンと違って、樹脂と混ぜても透明に近いので、中身が透けて見えるスケルトンフレームも作れちゃいます。そしたらフレーム内部にモーターをこっそり仕掛けるなんてことが出来ないですね!
まだまだ研究段階なので実用化までは時間がかかりそうですが、透明なフレームができたらすごく魅力的ですね!
答え:未来のフレームはスケスケになります。
text■塚田
庶民レーサー様からのご質問
質問:ロードバイクを買ってから半年くらい経つのですが、最近クランクを踏み込むとカチカチと音が鳴ります。こういう場合はどうすればいいのですか?
たいした音でなくても、一度気になるとすごく耳障りに聞こえてくるものです。峠道を登ってゼイゼイハァハァしている時に「カチカチカチカチ」鳴り続けていたら精神衛生上にも良くないですね。
特に最近のフレームに採用されている圧入式のBBは構造上音鳴りが発生しやすいので、この手の修理件数は増加傾向にあります。
BB付近の異音の原因の大半はクランクやBBの緩みによるガタです。他には変速不良、BBベアリングの劣化、ヘッドのガタ、ホイール、ペダル、サドルなどが原因と考えられます。ただ原因は1つであるとは限らず、いろいろな要素が組み合わさって音が鳴っていることもあるので、なかなか特定するのが難しい場合も多いです。
音の種類は「パキパキ」や「カチカチ」や「ゴリゴリ」などいろいろなバージョンがあります。
経験上、増し締めや部品交換などで99%くらいは治ります。治らない約1%は恐らくフレームが原因なんだと思います(あとは膝が鳴っているとか?)。
まずは以下のことを試してみてください
①余計な付属品を外してみる(ライトやメーター、ボトルなど)
②いろいろなギアで試す(インナーローやアウタートップなど)
③いろいろなポジションで試す(ブラケット、下ハン、ダンシングなど)
④別のホイールで試す(もしあれば)
⑤別のペダルで試す(もしあれば)
これによって音が鳴ったり鳴らなかったりすればある程度原因を絞れます。そうすればどこを修理すべきか見えてきます。
答え:どうすれば音鳴りが発生しやすいか、音をうまく鳴らすコツをつかんでみてください。再現が可能であるほど修理がやりやすくなります。
text■塚田
パンチラーラ様からのご質問
質問:エアロフレームとかエアロホイールって本当に効果があるのですか?
自転車を乗るうえで空気抵抗は常に立ちはだかる壁であり、「空気さえなければもっと速く走れるのに!」と思ったことは一度や二度ではありません。
フレームやホイールがエアロ形状になることで空気抵抗が低減するのは風洞実験でも明らかとなっています。それによって何W(ワット)セーブできるだとか、タイムが何秒縮むだとか具体的なデータもありますが、いまいちピンと来ない方も多いかと思います。
空気抵抗(抗力)は、
D=1/2pCdAv^2
(D:抗力、p:空気の密度、Cd:抗力係数、A:前面投影面積、v:速度)
という式で算出されます。
抗力係数というのは、抗力の無次元数で物体の形状などによって変化します。これを「翼断面形状」だったり「静流効果」だったりゴルフボールのような「ディンプル加工」だったりで値を小さくします。
今回は弊社専務の平林から質問というか、課題をもらいました。
質問:ロードタイヤの太さって20c、23c、25c、28cがあるけども、一体どの太さが最適だと思う?
お客さんは結構悩む所だと思うから、塚田君の持論で良いので教えてくれるかな。
正解はないので、ちょっと意地悪な質問かもしれないけど。
とりあえず今回は最もポピュラーな23cと25cで比較してみよう。
道路環境と空気圧、乗り手の体重、脚力等の条件は同じという設定で宜しく。
まず、私個人がどちらを使うかと聞かれれば、ほとんどの場合は23cを選びます。
一般的には23cの方が軽量で、25cの方が転がりが軽く、快適性が高いと言われています。
実際に同じ銘柄のタイヤ(Vittoria コルサCX)で23cと25cを乗り比べたのでその感想を書いてみます。
今までずっと23cを使っていたので、23cの感想は?と聞かれても答えに困るのですが、23cと比べた25cの感想ということなら答えやすいです。
まず感じたのは「ちょっと重くなった?」
メーカー公表の重量は23cで250g、25cで255gと5gしか差がないことになっていますが、ちゃんと感じる差でした。スピードに乗ってしまえば気になりませんが、漕ぎ出しが少々重く感じます。
あと、「乗り心地はよい」
エアボリュームによるクッション性が増しているので、細かい振動が減衰されます。ロングライドには良さそうです。
肝心の転がり抵抗は「あまり差を感じない」です。
平地で50km/h巡航できるほどのパワーがあるわけではないので、私にはあまり関係がないのかもしれません。
グリップはどうでしょうか。これも「あまり差を感じない」でした。
ウェットコンディションでコーナーを攻めれば少しは差が出るのかもしれません。
総合的に考えると、軽量性重視の私にとって「25cは不要かなぁ」というのが結論です。
ただ、これはあくまで個人的な好みの問題だとお考え下さい。
今のは同一条件での比較でしたが、条件を変えるとどうでしょうか。
条件によっては23cが良かったり、25cが良かったりするはずです。
そこで、誰にでも当てはめられそうな簡単な診断テストを作ってみました。
【以下の4つの質問であなたに最適なタイヤサイズがわかります】 (ロードバイク前提)
質問に答えて点数を合計してみてください。
・あなたの体重
①59kg以下・・・1点
②60~79kg・・・3点
③80kg以上・・・5点
・主な用途
①通勤、街乗り・・・2点
②ロングツーリング・・・3点
③オールラウンド・・・2点
④ヒルクライムやクリテリウムレース・・・0点
・普段の巡航速度
①25km/h以下・・・1点
②26~35km/h・・・2点
③36km/h以上・・・3点
・ホイールのリム幅(外幅)
①21mm未満・・・1点
②21mm~24mm・・・3点
③24mmを超える・・・7点
合計8点以下・・・23cがおススメ
合計9点以上・・・25cがおススメ
どうでしょうか。なかなか的を得ていると思います。
点数配分を見ると、「体重」と「リム幅」が大きなウェイトを占めているのがわかります。
現在のプロレース界では25cが主流となっているのは皆さんご存知かと思います。
しかし、当店のタイヤの売れゆきでは今もなお23cが圧倒的多数です。
そこでタイヤの流通に詳しい専務に逆に質問です。
日本全国規模、さらには世界規模では23cと25cの割合はどのくらいになっていますか?
そして今後はどのように変わっていくとお考えですか?
<次回につづく>
text■塚田
ロッテンマイヤー様からのご質問です
質問:タイヤのサイズ表記が紛らわしくてよくわかりません。
タイヤのサイズはタイヤの径と太さで表されています。
ロードバイクで一般的な700x23cはタイヤ径が700mm、太さが23mmということです。ところが、物によっては寸法がインチであったり、太さが分数だったり小数だったりで確かにややこしいです。
特に「26インチ」と呼ばれる物には、マウンテンバイクの26インチ(HE)、一般自転車の26インチ(650A)、ランドナーの26インチ(650B)、ロードバイクの26インチ(650C)などがあって、それぞれに互換性はありません。
これらのサイズ表記を一つに束ねる共通規格に「ETRTO」というのがあります。
「European Tyre and Rim Technical Organisation」の頭文字をとったもので、ETRO表記はタイヤの断面幅とタイヤのビード内径をミリメートルで表します。700x23cはETRTOだと、「23-622」と表記します。
タイヤのビード内径が同じであれば同じリムに装着できるということなのでわかりやすいですね。
「26インチ」と呼ばれる物もETRTOだとそれぞれ、559、590、584、571とビード内径が異なることがわかります。
20インチに406と451があるのもETRTOです。
また、ロードバイクのチューブラータイヤのサイズもややこしいです。
メーカーカタログではタイヤ径の表記法が主に3種類見られます。
23-27" TUFO
23-28" CONTINENTAL,VITTORIA,MICHELIN
700x23 Panaracer,VELOFLEX,HUTCHINSON
実はこれらは同一規格で同じサイズなんです。ETRTO表記は23-28"です。
700cと28インチが同じというのはわかるとしても、27インチ=28インチというのはどうも納得いきませんよね。
タイヤを購入する際はこの「ETRTO表記」に注目してみてください。
答え:「26インチ≠26インチ」なのに「27インチ=28インチ」とか、もうわけわかんない
以下のサイトに詳しい解説があります
http://www.raleigh.jp/InfoFAQ/060701_wheel-adv.htm
text■塚田
あけましておめでとうございます。
sakamoto様からいただいたご質問です。
質問:はじめまして、いつもブログを拝見させていただいています。<中略>寒い冬場はローラー台でのトレーニングを始めようと思っているのですが、3本ローラーと固定ローラーのどちらがおすすめですか。(レースに出場するつもりは今のところ無いので、体力を維持するくらいのつもりで使おうと思っています。)ご教示願います。
これは実際に店頭でもよく質問されます。両者とも似ているようで役割は違います。当然それぞれにメリット・デメリットはあります。
まずは3本ローラー。よく「上級者向け」と思われていますが、そんなことはありません。最初は乗れるようになるまで少しコツがいりますが、慣れてしまえば全然平気です。ローラー台の上で常にバランスを取りながら走らないといけないので、ペダリングスキルや真っ直ぐ走るバランス感覚を鍛えられます。欠点は強い負荷がかけられないことと、下階に対する騒音や振動が気になる点です。
次に固定ローラー。どちらかというとこちらの方が一般的です。負荷をかけながら脚力や心肺機能の強化を期待できます。自転車は固定されるので誰でも乗れますし、テレビを見ながらや音楽を聴きながらトレーニングすることが出来ます。欠点は単調な運動になりがちなので、続けるのに根気が必要です。
おすすめはどちらかというと、トレーニングの目的やローラー台を設置する住宅環境にもよるのでなかなか難しいです。ご質問の内容を見る限りではどちらでもいけそうですね。
答え:3本ローラーは「ヨガ」、固定ローラーは「筋トレ」みたいなかんじでしょうか。お好みでお選びください。
teketeken様からのご質問です。
質問:最近ディスクブレーキ付きのロードバイクが増えましたが、本当に必要なんでしょうか。今後は主流になるんですか?
かつてマウンテンバイクに初めてディスクブレーキが登場した時も賛否両論がありましたが、今となってはスタンダードの地位を築きました。ロードバイクでも果たして同じような結果になるのでしょうか。
ディスクブレーキのメリット・デメリットをそれぞれあげてみると、
<メリット>
・雨天時などの悪コンディションでも安定して高い制動力
・ブレーキタッチがいい(油圧の場合)
・リムの設計がブレーキを考慮しなくてもよくなる(自由になる)
・リアエンド幅を広くして、将来的に12段以上のギアに対応しやすくなる
<デメリット>
・従来のフレーム・ホイールが使えない
・ホイールの種類が少ない
・総重量が重くなる
・フロントフォークの左右バランスが悪くなる
まずはメリットから。制動力が安定してブレーキタッチが良くなるのは、レースを走るプロ選手だけでなく、一般サイクリストにも大きな恩恵となることでしょう。今までのリムはブレーキ面を平滑にして摩擦熱に対する強度を確保する必要がありましたが、その制約が無くなればより軽量だったりエアロに特化した自由な設計が出来るので面白いホイールが登場するかもしれません。
そしてデメリット。フレームとホイールが専用設計となるので、導入するには全て買い替えなくてはなりません(ここにメーカーのビジネス的な意図を感じます)。重量増もロードバイクにとっては大きな痛手です。そしてフロントフォークが左右非対称になれば操作性にも影響するはずです。
これらのデメリットは将来的には改善する可能性が大いにありますので、メリットがデメリットを上回るようになれば、ディスクブレーキがスタンダードの座を勝ち取る日が来るかもしれません。
UCI(国際自転車競技連合)も2017年度にはプロロードレースで正式にディスクブレーキを解禁する方針を発表したので、今後もしばらくは業界を賑わすことでしょう。
じゃあ「買うか?」って聞かれると、うーん、、、やっぱりもうちょっと種類が増えるまで様子見ですか。。。複数台所有する人にとっては「今までのフレームやホイールが使えない」っていうのが引っかかりますね。
答え:はじめは遊びのつもりでも、気がつけば本命になることだってあるかもしれません
text■塚田
YM様からのご質問です。
質問:ロードバイクの一般モデルと女性用モデルはどう違うのですか?
最近は女性のお客様もだいぶ増えてまいりました。中には一般モデルが大きすぎて乗りにくいと感じている方もいるかもしれません。
女性用モデルは一般モデルに比べてフレームサイズが小さいだけなのでしょうか。
女性用モデルが充実しているANCHORを例にご説明します。
フレームはフルカーボンのRL8WとアルミのRFA5Wの2種類。パーツ構成がそれぞれ2グレードあるので合計4車種ございます。
どのモデルもサイズが3種類あり、一番小さいサイズは身長140cm台でもフィッティング可能です。やはり国産ブランドなので、日本人女性の体型を考慮したサイズ設定は欧米ブランドには真似ができません。
クランク長はシマノ製では一番短い165mmを搭載、さらに上位3機種はハンドル幅・ステム長の選択が可能なので、よりきめ細かなフィッティングが可能となっています。
フレーム剛性を女性の脚力に合わせて調整しているので、小さいサイズでもマイルドな乗り心地です。また、サドルは女性の骨盤形状を考慮した形状になっています。
スポーツバイクに不慣れな女性でも気軽に、そして安心してお乗りいただけるような配慮が随所に施されています。
答え:女性用モデルは半分が「やさしさ」で出来ています。
text■塚田
素朴な疑問コーナーに早速、「ポン太ドール様」からご質問をいただきました。
質問:登りが苦手なのですが、どうすればヒルクライムが速くなりますか
まず誰でも思い浮かべるのが「軽量化」です。自転車のどこを軽量化するとより効果が大きいかというと、
ホイール>フレーム>タイヤ>コンポーネント>ハンドル>サドル...
といった順番になるでしょうか。
中でも費用対効果が大きいのが「タイヤ」だと思います。一般的なロードタイヤとヒルクライム用の軽量タイヤでは、前後で100g~200gくらいの差しかありませんがこの差が結構効いてきます。パンクのリスクを気にするよりも軽量タイヤの恩恵は意外と大きいです。
そして忘れてはいけないのが、「乗り手の軽量化」です。体重が減ればペダリングパワーも落ちることになるので闇雲に減量すればいいものではありませんが、「明らかに余計な重り」は減らしたほうがいいです。日々のトレーニングの中で自然と絞れてくるくらいでも十分です。
では肝心のトレーニングはどうすればいいでしょうか。
ヒルクライムは技術よりもまずは体力と気力、そして己の力を知ることが重要です。そして体力アップには繰り返しの練習が不可欠です。
例えば、5~6分くらいで登れる短めの坂(ローラー台でもOK)を息が上がらないくらいのペースで走り、登ったのと同じくらいの時間(下りを含め)ゆっくり走って休む。それを数セット繰り返します。このときに段々とペースが落ちないようにすることが肝心で、例えば5セットと決めたら最後の5本目で一番パワーを出せるように、前半をやや抑え目で走り後半に向けて徐々に上げていきます。
ペース配分を上手く行うには、自分のスタミナを把握する必要があります。
そして最後は気力です。頂上が見えると力を抜いてしまいがちですが、「下り始めるまでが登り」だと思って最後まで手を(足を?)抜かないことが大切です。
また、本気でタイムを短縮したいのであればローラー台とパワーメーターは必需品です。
答え:まずは財布の軽量化から始めてみてください
text■塚田
初めてのロードバイクをお探しのお客様によくこんな質問をされます。
「初心者なんですが、どれを買えばいいですか?」
メーカーはたくさんあるし、値段もピンからキリまでだし、たくさんありすぎて何を基準に選んでよいのかわかりませんよね。
そこでまず、なぜロードバイクが欲しいのか考えてみてください。なんとなくイメージしていたものがあったはずです。通勤で使うのか、ロングライドを楽しみたいのか、レースを目指してみたいのか、用途によっても何を重視すべきかが変わってきます。
次に知っておいていただきたいのが、「初心者向き」の物が特別あるわけではないということです。比較的安い価格帯の物が「初心者向き」とうたわれていますが、性能面で初心者に適しているかというとそうは言い切れません。
では初心者にとって性能面では何が求められるでしょうか。長距離でも疲れにくい快適性、変速などの操作性、安全に止まれる制動力、そして耐久性、このあたりでしょうか。これら全てを重視すると、「フルカーボンフレームでDURA-ACEコンポの完成車」が初心者向きということになります。でも初心者の方にとっては「買いやすい価格」であることは外せない要素のひとつですよね。ですので性能と価格のバランスを考えることになります。
そしてさらに初心者を悩ますのが「ポジション」です。これに関しては上級者ですら悩んでいる方も多いので、いきなり答えなんか出ません。より最適なポジションを出すために体に合ったサイズを選ぶということは重要ですが、初めての自転車を買う段階では今後変化していくものとしてそこまで深く考える必要はないような気がします。ただ、「基本」というものは存在するので、いきなり基本から大きくはみ出さない方がいいでしょう。
じゃあ結局何が決め手になるかというと、最終的にその自転車を「気に入る」かどうかです。見た目のデザインで気に入ってもいいし、コストパフォーマンスに満足するのでもいいと思います。「よい買い物をした」と思えなければ長くは続かないし、愛着が湧かなければ手入れが行き届かなくなってしまいます。限られた予算の範囲内で、実際に見て触って跨って、「これは!」と思えるものがあればその自転車があなたにとって最適の一台となることでしょう。
答え:心に「ズキュン」とくる一台に出会ってください
text■塚田